2000.10〜2001.9

2001.9.23 萩寺
鎌倉駅から若宮大路を鶴ケ岡八幡宮に向かって歩き、三の鳥居のところで右へ曲がるとその
道(横大路と呼ばれています)の突き当たりに、萩寺の名で知られる宝戒寺があります。
この季節、境内の小路いっぱいに白萩がしだれ、散策の人で賑わう境内にも秋のしみじみと
した気配が漂います。

この寺には、あまり見られない白と黄色の彼岸花が咲いていました。
木陰にすっと立ち、ほのかに白く見える彼岸花には凄みすら感じられます。

宝戒寺の建つあたりは、鎌倉時代には代々執権の屋敷があったと言われています。
新田義貞の鎌倉攻めの際、このあたりは焼け落ち、最後の執権北条高時は一族と共に屋敷
裏手の東勝寺にこもり自害し果てました。この北条氏滅亡の場所は現在、「腹切りやぐら」
と呼ばれています。その後、鎌倉幕府を滅ぼした足利尊氏が北条氏を霊を慰めるために、
執権屋敷跡に宝戒寺を建立したのです。
このような歴史を持つためでしょうか、秋のやわらかな陽射しが降りそそぎ、萩が咲き乱れ
ていても、なにかはかなさを感じる宝戒寺の境内です。

黄色い彼岸花

北条氏の悲劇を伝える宝戒寺(萩寺)

白い彼岸花

2001.9.22 彼岸花
暑さ寒さも彼岸まで。
ここ数日蒸し暑い日が続いていたのが、週半ばから急に涼しくなり、この言葉を実感しています。

やっと、散歩に足が向くようになり、久しぶりに鶴ヶ岡八幡宮付近の路地を歩いていると、
神社の土手一面に彼岸花が満開に咲いていました。
秋になったことを実感する風景です。

お彼岸のころになると忽然と現れる彼岸花は、曼珠沙華とも呼ばれますが、古くから
田圃のあぜ道など人里に咲き、日本人に親しまれてきた花のようです。
その燃えるような赤い色と、咲き乱れているかと思う間に、あっという間に花が枯れて
しまうはかなさが印象的なのか、地方により多くの呼び名があるようです。
一説には1100以上の呼び名があるのだとか。
皆さんのところでは何と呼んでいますか?

またの名を「はなしくさ」
なるほど、咲いている時には葉が見られません

2001.8.11 鎌倉花火大会
毎年、8月10日に鎌倉花火大会が行われます。
夕方、海水浴客と入れ替わりに浜辺に陣取り、潮風に吹かれながら日没を待ちます。
沖合いの船から打ち上げられる花火を、砂浜から眺める風情は格別なものがあります。
打ち上げられる花火2800発と決して大規模ではありませんが、水面に映る光と波の音がひと味違う花火大会を演出しています。

走る船の上から花火を海中に落とし、水上で破裂させる水中花火は、この大会の呼び物です。眼前の海上に炸裂する花火は、空と海に繰り広げられる大パノラマの迫力と言えます。写真から迫力が伝わるでしょうか(クリックすると大きくなります)。

ユ水中花火のビデオ映像で花火大会の雰囲気を(約30秒)

2001.7.21 夏本番
梅雨が明け、本格的な暑さがやってきました。鎌倉を訪れる人の流れは海に向かうようになりました。
この3連休を境に、海辺の賑わいも本番です。
どんなに暑い日でも、海風に吹かれると、一時暑さを忘れます。風の強い今日は波も白く、伊豆大島まではっきりと見えました。
これからしばらく、鎌倉の海は大勢の人を迎えて夏を謳歌します。

夏本番の由比が浜海岸

海の中に入っていると暑さを忘れます

さて、今年も由比が浜の海岸には趣向を凝らした海の家が建ち並びました。
最近の流行はTV局や企業とタイアップした海の家でしょうか。今年は日本テレビ系「FUN」の”fun-tu”とエステのTBCの海の家が目を引きました。
海の家を貸し切って、バンドを入れてパーティを開いているグループも・・・。

もちろん、一方では伝統的な(?)海の家も頑張っています。

海の家でのパーティの賑わい

日テレ系海の家「fun-tu」

2001.7.2 梅雨のおわり
もう梅雨が終ったかのような暑い日が続きます。
今年の鎌倉は雨が少なく、紫陽花の季節に人出が絶えないようでした。
10日ほど前の週日、明月院を訪ねました。
明月院の紫陽花は普通に見られる園芸種の西洋アジサイではなく、日本原産の姫アジサイ。少し小振りな花です。
また、境内の花は青色がほとんどで、”明月院ブルー”とも呼ばれる瑞々しさです。緑深い谷戸の其処此処に咲く青い紫陽花は、今までの紫陽花のイメージを変えてしまうかも知れません。
今や紫陽花寺の名の方が通りが良いかも知れない明月院は、もとは北条時宗が建てた禅興寺の塔頭のひとつで、時宗の父、時頼が住んだ最明寺のあった場所でもあります。

同じ北鎌倉の東慶寺。駆け込み寺として有名なここも、紫陽花が楽しめます。
東慶寺は四季折々の花の美しいお寺ですが、この日は菖蒲が見事に咲いていました。
また、ちょっと珍しいイワタバコも見られました。
イワタバコは、山の木陰の岩肌に生える多年草で、鎌倉のお寺では良く見られます。葉がたばこに似ていることからこの名があり、胃腸薬にもなるそうです。

この東慶寺の墓地には西田幾太郎や高見順・和辻哲郎・鈴木大拙を始め、多くの著名人のお墓があります。
紫陽花・菖蒲・イワタバコ写真<ここをクリック!>

2001.6.17   成就院の紫陽花
露に濡れて紫陽花は鮮やかに染まりました。
今、鎌倉は梅雨を楽しむ人で賑わっています。
お待ちかねの紫陽花のご紹介が遅れていますが、まずは鎌倉七切通しのひとつ、極楽寺坂切通しにある成就院の、斜面に群生する色とりどりの紫陽花をご覧下さい。
切通しの坂上に位置する成就院の山門あたりから振返ると、参道の両側一面に咲く紫陽花とその向こうに見える由比が浜海岸の景色がとても美しく、この時期は参道が大混雑します。
ここの紫陽花には様々な色・種類があり、見飽きません。

坂道は大混雑(紫陽花の成就院参道と由比が浜)

2001.5.26    鎌倉文学館のバラ-2
 先週の土曜日、朝食を持って文学館へ出掛け、芝生の片隅にシートを敷いて食事をしました。ちょっとしたピクニック気分でした。
 雲一つない快晴で、爽やかな風が吹き抜け、五月晴れの一日を楽しめました。
 文学館のバラも満開です。一株一株に品種名のプレートがついています。ミュージカルにちなんだものを探しました。唯一見つかった「スーパースター」というバラは、残念ながらまだつぼみでした。

鎌倉文学館と薔薇園

 館内の特別展示「愛の手紙」の中には、劇団四季と縁の深い、加藤道夫さんから夫人の加藤治子さんへ宛てた昭和28年の死の直前に出された手紙がありました。妻への心遣いに溢れた手紙でした。
 なお、この特別展は7月1日までですが、途中で展示の入れ替えを行うようです。興味のある方はお早めにどうぞ。

 この一週間は天気がぐずつき湿度も高く、まるで梅雨に入ったかのような鬱陶しさでした。気がつくと紫陽花も色づいて来ています。梅雨入りも間近と感じさせるこの頃です。

2001.5.13    鎌倉文学館のバラ
 G.W.から一週間が過ぎました。
 天気に恵まれた4、5日は特に大変な人出になりました。
 車は朝から渋滞、飲食店はどこも行列。せっかくみえても、果たして鎌倉の良さを感じて帰って頂けたのか、心配になってしまいました。

 さて、長谷の大仏の近く、由比が浜通りを少し入ったところに鎌倉文学館があります。
 川端康成など鎌倉にちなんだ作家の遺稿や様々な資料が展示されていますが、「鎌倉文士」という言葉があるほど、作家が多く住んだ歴史をもつ鎌倉だけに、見ごたえがあります。
 また、文学館の建物は市に寄贈された旧前田侯爵邸を整備し公開されたもので、美しい洋館です。谷戸の緑に囲まれた静かな環境に佇む建物や、庭を見るだけでも十分満足感が得られると思います。
 その広い庭の一角にバラ園があります。開花の季節を迎えた今、広さこそさほどでもありませんが、たくさんの種類のバラが、様々な香りを漂わせています。
鎌倉文学館の外観
 庭の広い芝生の上でお弁当をいただく、と言うのも楽しいですね。ただし、トンビの襲来には気を付けて!

 前回の便りで触れた、「からたねおがたま」ですが、G.W.頃から咲き始めています。長谷に立ち寄る機会があれば光則寺も覗いて見て下さい。南国的な香りに驚かれるかもしれません。
からたねおがたまの花

2001.4.16
「からたねおがたま」と言う木を知っていますか?
薄黄色の花を咲かせる、背の低い木ですが、花の香りがとても変わっています。まるでバナナそっくりなのです。
以前紹介した、長谷の光則寺の境内で初めて出会いました。昨日、お寺に立ち寄ったのですが、ちょうど咲き始めたところでした。来週の日曜あたりに見頃(嗅ぎ頃?)になりそうです。「からたね」の名の通り、中国原産のようですが、何とも不思議な香りです。是非一度、香りを嗅いで見て下さい、本当にそっくりですから。
光則寺のカイドウの花は終っていましたが、山吹が綺麗に咲いていました。後、この季節で言えば、光則寺のある谷戸は藤が見事です。藤棚もありますが、それより野生の藤で山の斜面全体が紫色に染まってしまうのが絶景です。藤が咲くまではもう少しありますが、その時期には是非どうぞ。

2001.4.3
各地で桜が満開になったとのニュースが聞かれます。鎌倉でも桜が一気に満開になりました。この日曜日は気温もぐんと上がり、鎌倉の桜の名所のひとつ、段葛(鶴ヶ岡八幡宮の参道)も大変な人出になりました。道路も大渋滞です。

この日、その段葛に面した、カトリック雪の下教会で知人の結婚式がありました。式が終って聖堂から表へ出ると、段葛に人だかりが・・・結婚式の様子を見ようとする通りすがりの人たちです。暫くして新郎新婦が聖堂を出て正面の石段をおりて来ると、周りから「おめでとう!」の声があがります。通りがかった見知らぬ人たちからも声がかかります。通過する観光バスの中から手を振る人もいます。それに照れながら応える二人・・・。
日曜日の昼下がり、明るい陽射しの中、私たち参列者の心の中もポカポカと暖かくなる、素敵な結婚式でした。

次の週末には鎌倉祭りがあります。市内各所にある神社からたくさんの神輿が出て練り歩いたり、八幡宮では流鏑馬神事が行われます。
桜の花も何とか持ちそうですし、「北条時宗」効果もあって、次の週末も大変な人出になりそうです。

段葛の桜と人の波

2001.2.3 
二週続けて週末に雪が降り、散策を楽しむどころではなかったのですが、今日は久しぶりの快晴となりました。
ちょうど節分の行事も重なり、早春の鎌倉を楽しむ人がどっと押し寄せ、久しぶり(?)の大渋滞があちこちで見られました。
長谷寺(長谷観音)の隣に光則寺という小さなお寺があります。
鎌倉時代創建の由緒あるお寺ですが、目立たぬせいか観光客も比較的少なく、四季を通じて花の楽しめる「穴場」とも言える場所です。

本堂の前に大きなカイドウの古木があります。3月から4月にかけて濃いピンクの花が咲き見ごろとなります。
長谷に永く住んでいた文豪・川端康成は、しばしば光則寺を訪れては本堂の縁側に座り、このカイドウを眺めながら思索に耽っていたそうです(御住職談)。
光則寺では今、ロウバイが見頃です。黄色の透き通った花弁が特徴的なロウバイは、ジャスミンに似た強い香りがするどこか中国的な雰囲気の漂う、早春の鎌倉の代表的な花です。
この時期、瑞泉寺や東慶寺などあちこちのお寺で爽やかな香りを振りまいています。

2001.1.21
今冬はじめて鎌倉に雪が積もりました。
昨日の午後から降り始め、夜半まで降り続いた雪が、鎌倉を囲む山々の木々の梢や社寺の屋根、小路などを真っ白に変えてしまいました。
昨冬はとうとう一度も降らなかった雪。北国では当り前の景色も、ここでは貴重な、特別なものなのです。
とはいえ、雪には滅法弱い南関東の交通機関のこと、交通の乱れを警戒してか今日の鎌倉市内は車が少なく、街は静かでした。
沢木さんの御宅に程近い円覚寺や東慶寺も、今日は静寂に包まれていたのではないでしょうか。

2001.1.3
三が日の終わりと共に、市内の交通規制が解除され、再び道路渋滞が始まりました。
鶴ヶ岡八幡宮への初詣客の参詣はまだ続き、正月の華やいだ雰囲気はしばらく残ります。特に今年は8日が成人式なので、8日までは小町通りなど観光客の多い商店街は正月の賑わいのままでしょう。
正月気分が完全に抜けて一息ついた頃、鎌倉の古刹にはロウバイや水仙が咲き始め、参拝客の眼を楽しませるようになります。
まだ吹く風は冷たいけれど、社寺巡りの季節はもう少しで始まります。

稲村が岬から望む江ノ島、富士山と残照(2001.1.3撮影)

2001.1.1
明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

鎌倉の最も静かな一週間が明け、大晦日深夜の除夜の鐘から賑わいが戻り始め、今や鎌倉駅周辺には人が溢れています。旧鎌倉一帯は交通規制が布かれ、若宮大路は歩行者天国となり、段葛も人の波です。
源氏ゆかりの鶴ヶ岡八幡宮は全国でもTOP10に入る初詣参拝者を数え、その一帯は大変な賑わいですが、その一方で正月のお寺は意外なほど静かなことを御存じでしょうか?初詣の帰りにお寺巡りもいいものです。
ただ、市内の飲食店はこの時期「正月メニュー・正月料金」をとるところが多くなります。いつもは美味しい料理、心のこもったサービスをしてくれる店でさえ、がっかりしてしまうことも・・・もちろん味はそのままで、大勢の客をさばくために種類を絞り込むだけという店が多いのですが。
そんなこともあって、地元の人は正月にはあまり飲食店には入らないようです。

          

鶴ヶ岡八幡宮の参道(段葛)を歩く初詣客  元朝の八幡宮本殿前の初詣客(3:00a.m.頃)   元旦夕刻の八幡宮本殿前の初詣客

2000.12.9
街にクリスマスソングが流れる季節になりました。
古都鎌倉とクリスマスソングは、いかにもミスマッチな印象がありますが、さに非ず。
社寺の多い鎌倉は、実はキリスト教会の多いまちでもあります。
カトリックの教会では、若宮大路にそびえ建つ雪ノ下教会、江ノ電和田塚駅近くの路地を入ったところにある由比ヶ浜教会、そして大船教会の3教会。
プロテスタントは、若宮大路二の鳥居そばの近代的な日本基督教団・雪ノ下教会に、下馬(げば)四ツ角近くの鎌倉教会(通称ハリス、礼拝堂が素敵です)。プロテスタント教会は他に10箇所以上あります。
また、修道院もイエズス会、レデンプトリスチン、モンタナ・・・と、市内に数多く点在しています。やはり、緑が深く静かな環境だからでしょうか。
今年の年末も、あちこちの教会でチャリティコンサートなどが開かれ、クリスマスが近づいたことを実感させてくれます。

若宮大路に建つカトリック雪の下教会

2000.12.7
12月に入り、鎌倉も急に冷え込むようになって来ました。先週末は鶴ヶ岡八幡宮の大銀杏もまだ綺麗に黄葉していましたが、はや参道に落葉が降り積もるようになりました。
道行く人もコート姿です。師走の慌ただしい季節、これから年末にかけて徐々に観光客の足が遠のき、鎌倉は静かな年の瀬を迎えることになります。
例年、クリスマス過ぎから大晦日までの6日間は、鎌倉が観光地の顔を外して静かな地方都市に戻る、わずかな時期のような気がします。
皆さんの街の師走はどんな様子でしょうか?

2000.11.12
 秋も深まり、鎌倉の道は週末のたびに大渋滞に陥っています。
 そんな渋滞を横目に狭い小路に入ると、住宅の生け垣にサザンカが咲いていたり、落葉炊きの煙りが上がっていたりと、小さな秋を発見する事が出来ます。旧鎌倉と呼ばれる寺社の多い地域は徒歩で回れる広さです。ぜひ自分の足で歩いて、あなただけの鎌倉を見つけて下さい。
 一ヶ月ほど前から、街では七五三の家族連れを多く見かけます。可愛い晴れ着を着てぞうりを履いておぼつかない足取りで歩く女の子の姿を見るとつい微笑んでしまいます。そんな七五三参りも15日で終わり。鎌倉の紅葉もこれから本格化していきます。

鎌倉・海蔵寺の紅葉

2000.10.10
 鎌倉は秋の観光シーズン真只中です。
 気候も、歩いて寺社を巡ったり山道を散歩したりするのに最適で、毎日多くの観光客で賑わっています。
 この時期、鎌倉の小径を歩いていると、其処此処でキンモクセイの香りがします。キンモクセイは香りが強く、甘い香りについ立ち止まり、周りを見渡しても樹がどこにあるのか判らないこともしばしばです。
 今年の厳しい暑さを越えて一息ついている身体に、染み通って行くような秋の香りです。

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