このページでは沢木さんがお住まいの鎌倉の街の四季折々の様子を当サイト管理人が紹介します。
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12月3日 紅葉

今週に入り、寒い日が続いたためか、鎌倉も一気に紅葉が進みました。
鎌倉には鶴岡八幡宮や円覚寺をはじめとして紅葉ポイントがたくさんあり、様々な風情が楽しめます。

今年も陽が沈むと長谷寺の境内がほんのり明るくなります。秋になると境内の紅葉をライトアップするようになり、それが人気のようです。

そのライトアップが、昨日(2日)は異様に明るく、遠目に見ると山全体の紅葉が光り輝いていました。
何ごとかと長谷寺ヘ行ってみると、TVの撮影のための照明でした。
日本テレビのニュースプラス1の生中継。
ご覧になった方はいらっしゃるでしょうか?

せっかくなので、TV局の照明に便乗して数枚写真を撮りました。
夜の闇に浮かび上がる紅葉の幻想的な美しさが伝わるでしょうか。

長谷寺のライトアップは12月10日まで続きます。夕方6時まで。この時間は入場無料です。

   
 
10月1日 浜辺の出来ごと
めっきり秋らしくなってきました。
9月は連休もあり、散策の人でが鎌倉は賑わいました。
萩や彼岸花など秋の花を眺めながら、涼しい風を受けて古寺を巡るのが今の季節の楽しみ方です。

さて、そんな季節にも関わらず、週末ごとに用事が出来てなかなか散策が出来ない日が続いていたのですが、今日は久しぶりに由比ケ浜へ散歩に出ました。

風が強く、波が高い海にはウインドサーフィンがたくさん浮かび、滑るように海面を右に左に走っています。
砂浜にはデッキチェアを持ち出して、ワイン片手にのんびり日光浴をしている人もいます。
何となく 日本離れした景色のように思えて面白く、つい足が止まりました。

ふと視線をそらすと、砂浜でカラスが二羽、何かをついばんでいるのが見えました。
と、上空を旋回していた一羽のトビが、カラスめがけて急降下したかと思うと、次の瞬間、何かを掴んで舞い上がりました。

「え、ヘビ?」

蛇かそれとも海蛇か、とにかく何か細長い動物を掴んでいます。
エサを奪われたカラスも慌てて飛び上がりその後を追います。
激しく追いたてる二羽のカラスに対して、強い風を味方にしたトビはひらりひらりとかわしながら必死に逃げ切りを図ります。
私たちの頭上を横切った三羽は、そのまま絡み合うように飛びながら、海岸から国道を越えて住宅街に消えて行きました。

果たしてトビは逃げ切れたのか、それともカラスに追い立てられ獲物を捨てて去ったのか。
マンションの向こうへ消えた彼らは、人間の生活圏から彼らの領域へ飛び去ってしまったようでもありました。

最近は鎌倉のトビというと観光客の弁当を狙うとか、カラスはゴミを漁るとか、そんなイメージがつきまとっていますが、実は彼らの中にはしっかりと野生が生きていて、生存競争を繰り広げていることを見せつけられたように思えた一コマでした。
 
急降下して逃げるトビを激しく追うカラス
トビはしっかりと獲物を掴んで離さない
 
やがて三羽はマンションの向こうへ飛び去った
 
 
6月25日 長谷寺の紫陽花

6月は紫陽花の季節。多くの観光客の方が鎌倉を訪れています。

ここしばらくは本格的な雨も降らず、夏のような暑さの中、日傘を差して歩く人も目立ちます。

昨年はあまりの人の多さに断念してしまった長谷寺の紫陽花散策路。今年は土曜日の朝早くを狙って出かけました。
朝8時開門のところ、9時少し前に長谷寺の山門をくぐりましたが、すでに境内には多くの参拝客の姿がありました。

紫陽花散策路の入口には、さすがに待ち行列はなく、すんなり入ることが出来ました。
散策路にはいると、回りの斜面は一面の紫陽花。
入口で配られた団扇の写真と見比べながら、様々な形、色の紫陽花の名前を確認しながら歩きました。
途中、散策路も最も高いあたり、紫陽花の向こうに海を望める場所にベンチがあり、一休み出来るようになっていました。

山の斜面一面に咲いている紫陽花を見渡すように鑑賞出来るところを鎌倉では他に思いつきません。長谷寺が紫陽花の名所として人気が出たのも頷けます。

もうしばらく長谷界隈の混雑が続きそうです。

 
紫陽花の向こうに海。
晴れていれば印象的な風景になったことでしょう。
斜面はどこも紫陽花でいっぱい。
散策路入口の誘導柵。この長い待ちエリアが日中は参拝客でいっぱいになります。

4月2日 桜前線

東京には桜の開花宣言が出ましたが、鎌倉は都心部より開花が遅いのでまだつぼみのままの木がほとんどです。花見はまだちょっと無理。
ソメイヨシノはまだですが、長谷にある光則寺の枝垂桜はもう八分咲きくらいになって参拝客の目を楽しませてくれます。

最近読んだ『桜が創った「日本」』(佐藤俊樹著、岩波新書)によると、ソメイヨシノはすべてクローンなのだとか。
園芸家の間では常識なのでしょうが、ソメイヨシノには自家不和合性というのがあって、同じ樹のおしべとめしべでは受粉出来ない性質があるそうです。そのため、出来た種には必ず別の樹の遺伝子が混ざってしまうので、元の樹と性質が異なってしまう。そこで、接ぎ木によって、元の樹の形質をそのまま引き継がせるのだそうです。これをクローン(栄養繁殖)と呼ぶそうです。

幕末の頃に江戸の染井(現在の駒込あたり)でつくられたソメイヨシノは、誕生以来クローンによって広まったわけで、それは全てのソメイヨシノが同じ遺伝子を持っている複製である、ということになります。(元祖がただ1本ではなかった、という説もあるようですが)
このため、同じ地域に植えられたソメイヨシノはほぼ同時に一斉に咲くことになり、気象庁の「桜前線」「開花予想」などが可能になった、というのです。

現在の花見は短い期間に集中して行われ、桜の名所は人でごった返しますが、この喧噪のなかの花見は、日本の桜の7〜8割がソメイヨシノで占められた時代になってからのものだそうです。

それ以前、ヤマザクラやヒガンザクラなどが主流だった時代は、桜の開花時期は種類によってずれるため、花見の時期は一ヶ月くらいあったようです。桜の名所と呼ばれるところは色々な種類の桜を植え、開花時期をずらして長く楽しめるように配慮していたのだとか。
ちなみに枝垂桜はエドヒガンザクラの変種で、ソメイヨシノより開花時期が早いのです。

自分にとって当たり前と思っていた春の風景が実はほんの100年くらい前に始まったものだ、という事実はとても新鮮な驚きでした。

来週末はソメイヨシノの花見が出来るでしょうか。

(右写真は光則寺の枝垂桜)

 
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