名古屋タイムズ 2000年11月9日号より

「レ・ミゼラブル」挑戦へ熱き心 元劇団四季の沢木順

◎…ミュージカル劇団「音楽座」の復活、そして劇団四季を退団した沢木順の再スタートの舞台となった「メトロに乗って」(浅田次郎原作)を東京のル・テアトル銀座で見た。経営母体のつまずきで、解散を強いられたのが96年。だが居残ったスタッフ、キャストは、根強いファンの支持を得て自主公演を継続。今回の「メトロ〜」で”音楽座復活”をあらためて全国にアピールした。
◎…沢木は劇団四季のトップスターとして活躍。名古屋でロングラン上演された「オペラ座の怪人」では主役のファントムを演じ、女性フアンをしびれさせた。ル・テアトルの楽屋を訪ねると「やあ、お久しぶり!」と、にこやかにこたえてくれた。女性ファンを骨抜きにする笑顔である。
◎…「四季退団は5年ほど前から考えていたことなんです。僕らが抜ければ、必ず若手が育ってくる。四季には、そういう新陳代謝が必要なんです」とすがすがしい。昨年四季を退団してからは「本とCDを出す準備をしています。おいおいコンサートもやっていきたい。でも今回のように、僕のキャラクターが必要なケースがあれば、お手伝いしていきたい」
◎…12月には大地真央主演のミュージカル(梅田コマ劇場)への出演も決まっている。「なかなか自分の思うようにはできない」と苦笑する人気、実力を兼ね備えたスターならではの、ぜいたくな悩みである。音楽座については「若い集団なので技術的にはつたない部分もある。しかしステージにかける情熱はどの劇団にも負けていない。大きな可能性を感じます」。
◎…ミュージカル指導者としての選択肢は?と尋ねたら、「考えていないわけではないが、その前にどうしてもやっておきたい役がある。オーディションを受けてでも挑戦したい役なんです」。”レ・ミゼラブル”のジャベール(刑事)と、テナルディエ(宿屋の亭主)だ。それはミュージカルファンの夢でもある。(う)
※音楽座ミュージカル「メトロに乗って」は、今月16〜18日、宝塚バウホールでも上演される。

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