美鈴店主の思い出話

美鈴は、小町大路から少し入った路地にある鎌倉でも有名な和菓子のお店です。
予約しなければ買えないことでも知られるこのお店の店主の八洲秀章氏にまつわる思い出話を、フリーペーパー「鎌倉生活」(2003.2.11付)の広告の中から見つけました。

『をさの音』

 今月のお菓子は半生菓子。芯は牛蒡を茹で密煮したものに、小豆の濾餡を巻き糸巻きの形にしたものです。
 「をさの音」とは、機を織る筬の意味です。
 昨年秋のこと、北海道虻田郡真狩村の筒井末美村長から、同村出身で、今は亡き作曲家・八洲秀章氏について一文をお願いしたいというお手紙をいただきました。八洲先生といえば「あざみの歌」「さくら貝の歌」「山のけむり」などの作曲でよく知られ、北鎌倉に住んでおられました。私と八洲先生との出会いは、在日朝鮮人の金剛山歌劇団の舞姫・李美南さんの紹介でした。歌劇団に魅せられ、今で言うおっかけだった私は、金剛山歌劇団鎌倉公演を企画し、先生に実行委員をお願いしました。昭和57年11月3日(文化の日)。当時、祝祭日は休館日だったのを、小島寅雄市長(当時、昨年秋逝去)の英断で鎌倉中央公民館を開館していただき大盛況で無事終えることができました。
 この公演以降、先生は何度か私のお店にお越し下さいました。お茶目な面を持った温か味ある、人間味溢れるお方でした。その先生の伝記がこの春出版される予定です。楽しみに、楽しみにしております。

                                美鈴店主 内記 進

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